妻の本の出版のサポートをすることになった時の話。
僕も美術教育系の本の出版で、出版社と関わりを持つこともあるのですが、作品集の出版となると、また何か雰囲気が違って見えてきてとてもワクワクしました。
出版の裏側って程ではないけれど、アットホームに進んでいった作品集づくりだったので掲載しておこうかなぁ~と思い立ったので◎

妻の作品集出版の話が上がったのは2018年の事。2019年末頃にある美術館の個展に出版を合わせられるように話がでたので、展覧会の作品制作に集中しなければならない妻の代わりに、僕と美術館での展覧会をサポートしてくれることになったギャラリーが、編集者さんや出版社側とのやり取りをサポートすることに。
実際に編集さんと顔合わせをしたのは多分2018年末頃だったかな?
この頃、妻は展覧会と出版に向けてもりもり作品制作をひたすらする感じ。

なので最初の方は、そのギャラリーの方が編集者さんと色々やりとりを続けてくれ、本のデザイナーさん等を決めたり、こちらの意向を纏めたりと色々進めてくれくれたので大変助かりました。皆で集まっての打ち合わせが本格的に始まったのは、2019年3月4月頃からだったかな?僕らも加わり、打ち合わせをするようになっていきました。
その頃には、出版内容(ページ数、価格帯、本サイズ、カバー形態等々)がだいたい決まりました。

編集さんとデザイナーさんは森山大道さんの作品集等をコンビでいくつも手掛けている方々で、印刷会社やプリンティングディレクターの方など、そのつながりでとても良い方々と仕事をすることができました。

↓これは打ち合わせで、作品集の中身をどんな感じの作品を載せるかを決めていった時のメモ写真。新作がメインの作品集にする予定だったので、まだできていない作品たちを想像しながら進めていくのは、妻も僕もちょっと大変でした。

何度かの打ち合わせを重ね、作品集の構成案、タイトル案もだんだんでだし、並行し寄稿をしていただく方の選定も進めていきました。編集さんも台割(おおまかなページ割)を進めてくださっていました。
6月にはタイトルも決定。7月頃には寄稿していただく方も最終決定し、そちらはそちらで進んでいきました。ちなみにこの頃には翻訳をしていただく方との日程調整等やり取りをギャラリーの方が進めてくれていましたし、デザイナーさんはデザイナーさんで本のデザイン案を進めてくださり、それぞれが各々進行していっている感じでした。
8月末には台割固めの時期に入り、新作作品画像の最終差し替えができる9月が近づき、さすがに妻も焦りだしていましたね(笑)
新作と過去作を分けての作品リスト(タイトル、制昨年、サイズ、技法/基底材)提出の為僕もサポート。

そして9月には美術館の展覧会準備の諸々も入りだし、同時進行の大きな決定事項が増え、皆てんやわんやな感じに。
表紙の決定も進む中、妻の新作制作は少し遅れ気味、催促を受けた僕は妻を尻を叩きながら、編集さん達とのやり取りを進めました(笑)
リストと、画像を台割に落とし込み、フォーマットが固まり打ち合わせに。
9月の中頃、表紙に使われる作品も決定。
新作も完成し、9月中に何とかカメラマンによる写真撮影もできました。その後すぐ最終版の台割案も決定!
表1(表紙の表)が、おにのこ、表4(裏表紙)がPieris rapaeで、表紙案も無事あがってきました。
カメラマンさんにも撮影後の作品画像の色修正をしてもらい、9月末にはデザイナーさんにデータをパスする事が出来ました。

10月に入り台割から何回かに分けて入稿も進み、寄稿者の方々にもゲラの確認や、翻訳作業もぐんぐん進みました。
榊の作品ができてこない事には進められない部分も多かったので、スタート前半は割とのんびり進んでいましたが、8月9月10月はほぼ毎日誰かとやり取り漬けとなりました(笑)

作品集に入れる予定の様々な情報ががーっと集まり、作品集の全体のデザインも上がってきて、後は細かな調整や修正、誤字脱字の確認などに進んでいく事に。

印書館さんにも全ページが通ったものでテストプリントをお願いしてもらい、同時に画像データの色の分解を進めていただきました。並行して、デザイナーさんにはデータ修正をどんどんすすめてもらっていました。印書館さんから上がってきた作品写真のテストプリントを元にした1回目の色校は、曇りだったのですがアトリエ外にて。デザイナーさん曰く晴れより曇りの時の方が良いんだって。

印刷スケジュールも決まり、最終訂正が可能なのが10月25日中に決定し、その夜にデザイナーさんに最終の修正依頼がわたることが決まり、そしてその修正が直っているかを確認して校了となることが決まりました。それと並行し印書館さんから先日のテストプリントの意向が反映された色校が届くことになりました。

印書館さんからの色校とデザイナーさんの修正後のデータを元にした、作品集の最終確認の打ち合わせをその2日後におこなうことに。打ち合わせを兼ねた食事会では、デザイナーさんのご兄弟がやられているフレンチのお店に。ちょうど僕たちがやっている文京区の絵画教室からも割と近くて今後も使えそうなお店だと思いました。
がっつりフレンチを頂きながらの打ち合わせ最高(笑) 娘も美味しいものたくさん食べさせてもらい喜んでいました♪

11月に入り、ついに作品集を印刷会社で印刷!
普通は作家自身が行く事はほとんどない場所なんだそうですが、良い経験になるだろうとご厚意で印刷立ち合いをせてもらう事に。僕も出版の経験はあっても、印刷立ち合いは初めてでドキドキ。
最終印刷の際にはデザイナーさんやプリンティングディレクターの方が、機長(オペレーター)の方と、試刷りの度にその場で色調整をどんどんしていく様子も見られて、プロの仕事をみられてとても面白かったです。
娘も印刷所で、大きな機械が動いているのを見て楽しそうにしていました。途中で疲れがでてきたのか、僕がずっとだっこをすることに・・(笑)

当日は午前中は娘の幼稚園面接日。午後2時から印刷スタートだったので、立ち合いに間に合えてよかった♪時間はかなりかかるようなので、全ての立ち合いしない方向でした。
最初が肝心だそうで、最初の2台くらいは確認し、3台目くらいで調子が整ってまわり始めたら、以降はプリンティングディレクターの方とオペレーターの方にお任せする感じに。
その日の夜編集さんから連絡があり、帯もできあがりこれで全て校了。帯の印刷も週明けになりそうとのこと。いよいよな感じ。
後は完成を待つ感じとなりました。

ちなみに書店に並ぶ刊行日は、美術館展覧会初日には間に合わなかったのですが、その代わり、作品集自体の仕上がりは初日に間に合いそうだったので、出版前事前販売として展覧会初日に美術館に並べることができました。

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S+N laboratory/Yuruku papa

忙しくなっても、ゆるりとするりと生きていきたいYuruku papaとおおざっぱさと細かさが同居するYuruku mama、0歳と5歳の娘の4人で、S+N laboratoryのアート活動と美術教育研究、暮らしや子育てに日々奮闘中。

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