伝言板プロジェクト in 紀伊富田駅
これまで制作してきた紀伊新庄駅・紀伊富田駅の伝言板プロジェクトに、これから沢山の人が伝言を残してくれるであろうことを楽しみに、和歌山県での滞在制作を修了しました。
今回はせっかくなので、伝言板プロジェクトの紹介とともに、板を形に切り出しやペイント等工程や、道具やペンキ等裏側なんかを紹介してみようかと思います。
制作の裏側 黒板塗装
DIYの参考にもなるかな~
富田駅舎に設置するためのチョークボードパネルづくり。
事前に下絵を描いた板を、ジグソーでひたすらカットしていきます。カットしたものはちょっと荒いので、サンダーで表面をやすり、細部は電動ルーターでやすっていきます。ここで大活躍マキタのジグソー。ガシガシカットしていきます。
カット面多少バリバリと剥がれているので、ここでパテ埋めしておくのがきれいに仕上げるコツ。パテが乾燥後、紙やすりでさらに側面をやすっておく。
表面・側面をきれいにやすれたら水性シーラーを全面に塗っておく。
全部のシルエットパネルを持って紀伊富田駅へ
つくったパネルの組み合わせに、サイズのずれがないか、間違いがないかを実際に設置してみて確認。原画と実物にズレが無いことを確認してホッと一安心したところで、直接パネルを壁に押し当てながら各シルエットパネルの場所に印を付けていきます。(ワークショップ用に1度持ち帰るため)
同時にパネルと壁に細いドリルで穴をあけておきました。
下地になる1層目の白系の水性黒板塗料塗ります。引き続きカラーの2層目。
※白以外の色のあるものにペンキを塗る場合、白を下地色として一層塗っておくとカラーがはっきり出てくれます。
水生黒板塗料は色々なところから出ていますね。例えば、ターナー色彩株式会社が出しているもの等、今回はターナー色彩株式会社と壁紙屋本舗がコラボで出している塗料を使いました。水性の黒板塗料はカラーも豊富で扱いやすいです。
ちなみにですが、野外の伝言板プロジェクトに使用している黒や緑色塗料は油性の黒板塗料です。
ワークショップ用の絵の具を準備
小学校、幼児園合わせて人数&グループ数が多いので、色を作りつつ黒板塗料を小瓶に小分けしていきます。1グループ3~4個黒板塗料が行き渡る計算。
エコスオーガニックチョークボードペイント
ECOS ORGANIC CHALKBOARD PAINT
子どもたちに使ってもらうように用意した水性黒板塗料は、エコスオーガニックチョークボードペイント/ECOS ORGANIC CHALKBOARD PAINT。幼稚園の小さな子ども達も使用するという事なので、オーガニックの安全なものを用意してみました。もともとカラーも豊富なのですが、赤・青・黄色・白等主要な色を大きめサイズでチョイスし、小分けにするため混色して用意しておいたビンに詰めなおしました。
workshop
今回の伝言板プロジェクトでは、制作と並行して高校生との協同壁画制作(8月6日)、富田小学校(8月21日)、とんだ幼児園(8月22日)にワークショップを行いました。幼稚園、小学生、高校生ではまた違った感じで作業が進み、比較で来ておもしろい。
遊戯室にあつまり、挨拶&作業の説明。絵の具や筆の使い方等も教えつつ、各グループに配られた、シルエットパネルや絵具・筆等を物色してもらい制作スタート。
丸・三角・四角の大小様々な型紙も用意。フリーで描く事と型紙を使うことの両方を試し、違いを楽しんでいるようでした。
途中、自分たちのグループの作品と他グループの作品を見て回る時間もつくり、お友達の作品に刺激をもらい最後の仕上げにとりかかりました。
乾燥後、伝言板プロジェクトの伝言板として駅舎に設置。
カラフルチョークボードWS 概要
①「カラフルチョークボード 富田駅協同壁画制作」
場所:和歌山県 とんだ幼児園
日時:平成26年8月22日(金曜日)
時間:午前9時~10時30分
人数: 年長 (5・6歳) 10グループ 全体数48名
この頃の子どもたちは、空間認識や形態認識が深まります。記号化された形を自らの感性で読み取り、表現へと発展させることは、新たな形との出会いとなります。このワークショップでは、作られた形の上に描くことで、四角い白い紙とは異なる「描く」を体験します。
子どもたちには、様々な形にカットされ色の塗られた板の上に、絵の具(エコ黒板塗料)を使って描いてもらいます。よく使用する四角い白い画用紙ではなく、形、色がすでに作られているものに描くことは、子ども達にとって新たな体験となります。さらに、その板に描く絵の具の色数は限定されており、制限された世界のなかでカットされた形を観察しながら、形や色に刺激を受け描くことで、全体のバランスを思考しながら描くことになります。
グループ内の子ども同士が、協同で一つのものを制作することによって、状況に影響を受けながら制作を進めることを行います。
補助のために、円、三角、四角等の型紙を用意しています。形をなぞることで、描くことの助けになるよう用意しておきます。
最終的に子どもたちが描いた板は、カラフルなチョークボードとなります。駅舎に設置後は、チョークを用いて自由に絵を描いたり、メッセージを残すことが可能となります。
②「カラフルチョークボード 富田駅協同壁画制作」
場所:和歌山県 富田小学校
日時:平成26年8月21日(木曜日)
時間:午前9時30分~10時10分 40分予定
人数: 5年12名 6年13名 全体数25名 6グループ
子どもたちには、様々な形にカットされ色の塗られた板の上に、絵の具(黒板塗料)を使って描いてもらいます。よく使用する四角い白い画用紙ではなく、形、色がすでに作られているものに描くことは、子ども達にとって新たな体験となります。さらに、その板に描く絵の具の色数は3色程度に限定されており、制限された世界のなかでカットされた形を観察しながら描くことで、全体のバランスを思考し描くことになります。
描く方法としては、カットされ色の塗られた板の上に丸、三角、四角の型紙とマスキングの組み合わせで模様をつくりながら描いてもらいます。模様は、柔軟な発想で自由に組み合わせ描いてもらいます。カットされた板の形や色に刺激を受け、さらには、グループ内の子ども同士が、協同で一つのものを制作することによって、その状況に影響を受けながら制作を進めることを行います。
最終的に子どもたちが描いた板は、カラフルなチョークボードとなります。駅舎に設置後は、チョークを用いて自由に絵を描いたり、メッセージを残すことが可能となります。
1.題材名「カラフルチョークボード」
2.題材設定の理由
この頃の子どもたちは、デザインすることを理解し、様々な媒体に表現を行う力が身に付いています。このワークショップでは、カットされた板の上に描くことで、四角い白い紙とは異なる「描く」を意識させます。さらに、グループを構成し制作することで、他者の存在を認識しながら制作を行うことになります。一人では生み出せなかった発想を獲得することが可能となります。
伝言板プロジェクト
Message Board Project
「伝言板プロジェクト」
一昔前、駅には、黒板で作られた伝言板がありました。メッセージを伝える役割であった伝言板は、様々な伝達技術の発達により、影を潜めました。しかし、インターネットのように瞬間的に相手に伝達が可能な媒体がある一方、伝言板のように、人の想いが作り出す時間の流れは、その時その場にのみ発生する「伝える」があるのだと思います。黒板でできた壁画には、訪れた人達が絵を描いたり伝言を残したりと、作品に参加し、さらに次の「想い」へと繋がっていくのです。
「Message Board Project」
It is ages since we saw last a blackboard used for message board at places like a station where people come and go. Message boards to convey a message to someone have disappeared with the development of various kinds of communication technology. However, while there are media capable of conveying information to someone in a moment like the Internet, I think that like a message board, “convey” generated each time or each place only stays in the passage of time in people’s emotion. Visitors to the station participate in artwork through painting a picture or leaving a message on the mural on a blackboard, which, I believe, leads to next “emotion.”