今回は、白亜地パネルづくりについて、まとめてみました。
白亜地は、絵をかく前の支持体づくり。とってもめんどくさいけれど、平滑でキレイな表面を手に入れることができます。ミューグラウンド等でも代用できるので、そちらで支持体つくることもありますが、今回は白亜地制作について。

白亜地とは?

歴史:北方ルネッサンスの板絵画法やウィーン幻想派の画家達の作品に代表される、板材や板材で作ったパネルを支持体とした地塗りの処方で、西欧ではごく一般的。日本においては主に、ドイツ・オーストリアに留学したウィーン幻想派の作家に師事した画家たちを通して伝えられ、70年代後半から美術大学でも教えられるようになった。

性質:吸水性の極めて高い地塗りであり、水性絵具・油絵具のいずれの制作にも適している。物理的衝撃に対してもろい側面があり、木枠に張った麻布への地塗りとしては薦められない。

使用道具・材料(私の場合)

●粉膠(ゼラチンでも代用可)
●水
●重質炭酸カルシウム
●チタニウムホワイト
●パネル:シナベニアパネル(ラワンはヤニが出るので避ける)
●布:薄綿布の「晒天竺」白。ユザワヤとか西日暮里のトマトとかの布屋さん
●カップ(500ccのカップ)or(250ccのカップ)
●ボール:大ボール5カップ(2500㏄)入る&中ボール4カップ(2000㏄)入る
●ヘラ・木べら
●温度計

★例:例題の分量も記載しておこうと思います。

1.水引き(合板表板の接着状態の悪い部分の処理)

パネルの表面全体に、水刷毛で水をたっぷり含ませるように塗る。しばらく放置しておくと、合板表面のつなぎ合わせ部分で接着状態の不十分な箇所があれば、ふくれあがってくる。カッターの刃を抜き取り、これを膨れあがった部分にあてがい、押しながら削り落とす。この作業を怠ると、布を貼り地塗りを行った画面に凹凸が残り、さらには亀裂の原因となる。
乾燥後軽くサンドペーパーをかける。(240~800番)

※パネル側面・裏面にのみ水性シーラーを塗る(1~2層くらい)→乾燥後軽くサンドペーパーかける。(この工程は側面裏面からヤニが出そうなパネルの時にはやっておくとよい感じ)

2.前膠溶液づくり(膠水)

■基本の膠水
粉膠(またはゼラチン)100gを水1ℓ (1000cc)に入れ膨潤させる(膠なら一晩、ゼラチンなら1時間)
膠 : 水       
1 : 10
★例 100g : 水1ℓ (1000cc) 
★例:40×40㎝のパネルを6枚の場合は、膠80g:水800cc程度を目安に

■薄めの前膠水(より均一に塗る方法)の場合:前膠水が薄ければ薄いほど層を多くする
膠 : 水       
1 : 20
★例 40g : 800㏄

3.前膠塗り
(あらかじめ膠水を布を貼る面面に塗り、パネルの吸い込みをおさえる 吸い込み止め ムラ防止)

つけ置きしてあった膠を60℃以下で湯煎し溶かす。
できた溶液(膠水)を30℃~35℃(人肌)位まで冷ましてパネルの表面・側面・裏面(布がくる部分あたりまで)に均等に塗る。
私の場合表面乾いたもう一回塗る。だから合計2層前膠塗ることになる。
1日乾燥後(目安:夏なら半日・冬なら1日)、軽くサンドペーパーをかける。(800番くらい。400番240番でもOK 自分の好みで)

4.布貼り

●膠水(膠(ゼラチン)100g:水1ℓ (1000cc) 1:10 ) ・・・ 1容量㏄
●重質炭酸カルシウム ・・・ 1容量㏄(※軽質とか、沈降性とかっていう炭カルは下地に向かない)
●水 ・・・ 1容量㏄

膠水 : 重質炭酸カルシウム : 水
1000cc : 1000cc : 1000cc 
2カップ    2カップ        2カップ  (500ccのカップ使用の場合)

   布は先にサイズに合わせて切っておく。細かな切り込みはこの段階では入れずにおく。(布の伸び縮みでずれるのが気になるから)

    一晩膨潤させた膠水を湯煎して人肌程度の温水にし、その中に重質炭酸カルシウムをまず入れ、ヘラで良く混ぜダマをなくす。ダマをできるだけなくした後水を入れなめらかにつぶしながら混ぜる。

    その溶液をパネルの表面にたっぷり均一に塗る。(私はこの時点で急ぎで側面・裏面にも溶液を塗っておく。)
表面の溶液が乾かないうちに、薄綿布をパネル表面に上下左右の位置を合わせてのせる。
素早く手のひらを使って板材の中心より外側に向かって空気を押し出すように押さえつけ、布を軽く全体に接着させる。
このあと布の上からもう一度溶液をぬる。
木べら(側面をヤスリをかけてなめらかにしておく)を使って、板材の中心より外側に向かって空気を押し出すように滑らせ、擦り付けるようにしながら布を接着させる。

表面の空気をおしだしきった事を確認したら、この段階で側面に貼り込むための細かな布きりを4すみに行う。
溶液を補充しながら側面まで一気に回り込ませ、同じようにして布を接着させる。
パネル裏面に溶液を補充し、そのまま一気に裏面までまわりこませ同様に接着させる。側面が乾いてたりして空気が出しづらかったら、布上から溶液補充したりもする。そこら辺は臨機応変に。

↑の基本のやりかた→(手のひらを使って板材の中心より外側に向かって空気を押し出すように押さえつけ、布を接着させる。空気が入ったり、接着が不十分なところはヘラで空気を外に押し出したり擦り付けるようにする。

↑パネル表面に布が確実に密着していることを確認した後、パネル側面に溶液を補充し、側面に布を確実に接着させる。同様な方法で布を板材の裏面にまわり込ませて接着させる。)

 少しおいて見た目乾いたら、地塗りの準備のため溶液を表面にもう一度塗る。しっかり乾かせた後、表面・側面に軽くサンドペーパーをかける(240番~400番くらい)

※布張りは膠水だけで、上記と同じ要領で貼る事もできる。この時パネル表面に布を密着させ直後に、更に人肌より少し熱めに熱した膠水を布の上から染み込ますように塗ると良い。側面・裏面も同様にすると布の接着が確実。

※白亜地ではなくミューグラウンドを使用する場合。
私の場合、この布張り工程まで終わったら次工程からミューグラウンドに変更して進める。
最初からミューグラウンドでも。それぞれ自分のやりやすいやり方で進めれば良いんじゃないでしょうか。

5.地塗り塗料の作成

●膠水(膠(ゼラチン)100g:水1ℓ 1000cc) 1:10) ・・・1容量㏄              
●重質炭酸カルシウム ・・・1と⅓容量㏄ 
●チタニウムホワイト ・・・⅔容量㏄(ジンクホワイト・亜鉛華はNG)   
●水   ・・・ 1容量㏄  
( 1~3層目そのまま →  4~6層目+⅓容量㏄ → 7~10層目 +⅓容量㏄)
地塗り塗料に加える水の量は、塗りだしの段階で1容量とし、上層にいくにしたがって少しづつ増やしていくようにする。

★例 500㏄を1カップ(500ccのカップ使用の場合)とした場合
※注:家で使用してる大ボールには下記の容量でいっぱいになってしまう。
膠水    :重質炭酸カルシウム  :チタニウムホワイト  :水
750cc    :1000cc         :500cc         :750cc
3カップ   4カップ          2カップ         3カップ

★例 250㏄を1カップ(250ccのカップ使用の場合)とした場合
膠水    :重質炭酸カルシウム  :チタニウムホワイト  :水
1500cc   :2000cc                    :1000cc        :1500cc
3カップ      4カップ        2カップ                     3カップ

※ここまでで最初に作った膠水で残りがあったら、何か問題あった時用に置いとけばOK。

膠水を湯煎して人肌程度の液温にし、その中に重質炭酸カルシウムと、チタニウムホワイトを   振り込みながら入れる。10分程度放置して、膠水に炭酸カルシウム・チタニウムを十分なじませる。
ヘラで混ぜ合わせながら、炭酸カルシウム・チタニウムのダマをこの段階でできるだけ潰す。その後ザルで裏ごしする。
水1容量を加えてよく混ぜる。

6.地塗り塗料を支持体に塗る

水刷毛ににたっぷり塗料を含ませ、しっかり布目に食い込ませるように1層目を塗る。一刷毛づつ強く押さえ込みながら塗進める。塗り終わった直後に、木べらで塗料を掻き落とすようにして布目を埋める。

② ①と同じ作業を、1層目と刷毛目が交差するように行う。(この段階までで重要なことは、布目の間に生じる細かい気泡(ピンホール)を徹底的に埋め込むことであり、塗りむらがあってっも構わない。)
支持体で貼った布目の間に生じる細かい穴(ピンホール)を1・2層目で埋めること、ピンホールは上の層にいくに従って埋めにくくなる。仕上がりの段階でピンホールが残っていると、目障りである上に、先々細かい亀裂の原因になる。

水刷毛にたっぷり塗料を含ませ、3層目を2層目と刷毛目が直行するように塗る。4層目に入る前くらいに一度軽くサンドペーパーをかける。
その後完璧に粉も落としておく。

④ 4層目以降、それぞれ前の層が半乾きになった頃合いを見計らいながら、刷毛目を交差させながら均一に塗り重ねる。私は10層~15層を目安にしている。10層以上やっても良いけど、好みによって5層~10層で仕上げても良い。

 乾燥後(1~2日以上後)、サンドペーパーで表面を磨き上げる。
400番→1200番。最後は1000番から1200番くらいで磨きあげる。
その後削り粉を十分にふき取る。

7 絶縁層塗り

絶縁層(1:30の膠水)を1層均一に塗る。乾いたらもう一層塗る。
※絶縁層は薄く均一に2層塗り

膠 : 水      
10(g) : 300(cc)

※注 このブログで書かれている白亜地のやり方は、自分のやりやすいように変更している部分もありますが、東京造形大学で配られた冊子を元にしています。
こういう白亜地のやりかたって人に聞かれて教えたりもするけど、ある人は一回実践してもう白亜地はやりたくないってなってました。めんどくさいからなぁ(笑)

大きなパネル製作の時は、以下の様な知人の材木店さんの倉庫の一室をお借りしたりもします。

実家の広いスペースで白亜地パネルづくりをした時は、家の中だけでなく、天気が良かったので庭でも。広くて楽で、晴天の外は乾きが早くてグッドです。終わった後はホース引っ張ってきて地面の汚れを流せるし、外での作業はなかなか快適。ただ10月だったのに1日で真っ黒に日焼けしました(笑)

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ゆるくパパ/Yuruku papa

忙しくなっても、ゆるりとするりと生きていきたいYuruku papaとおおざっぱさと細かさが同居するYuruku mama、3歳の娘との3人暮らし。 暮らしや子育て、たまにアートを楽しみながらゆるーくアイデア綴っていきます。

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